MBTI診断のESTP(起業家型)は、その破天荒で自由奔放な言動から「この人、頭おかしいんじゃないの?」と思われてしまうことがあります。
あなたは、ESTPの突拍子もない行動や発言に、怒りや不信感を抱いた経験はありませんか?
ESTPは、行動力があり、その場の状況に合わせて柔軟に対応できる能力が高い一方、以下のような特徴も持ち合わせています。
- 八方美人だと思われがち
- 時折り大胆すぎる行動をする
- 落ち着きがなくせっかち
- 我慢が続かず飽きっぽい
- 計画通りに行動しない
- 規則やルールを守れない
- 焦ったりイライラしたりしやすい
- お気楽な人だと思われる
- 今、この瞬間に集中しすぎる
- 単調な作業を繰り返しやるのが苦手
- 継続するのが苦手
- 自分の気持ちを優先しがち
- 平凡よりも刺激的なことを望む傾向がある
- 調和を乱しがち
- 周りの人の気持ちに寄り添えない
これらの特徴が極端に現れると、周囲の人を困惑させたり、傷つけたりする結果に繋がることも…。
今回は、ESTPの「頭おかしい」と思われてしまう言動の具体例を紹介します。ESTPの思考回路と行動パターンを理解することで、ESTPへの怒りや不信感を少しでも解消できるかもしれません。
この記事で紹介するおかしな言動は、ESTP-A型(ポジティブな行動型)とESTP-T型(ネガティブな理論型)で考え方と行動が異なるため、すべてのESTPに該当するわけではありません。ESTPの独特な感性や考え方が極端に働いたり、ストレスの限界を超えるとみられる言動です。
落ち着いて静かにできない
ESTPが落ち着きがなく、じっとしていられないのは、「感覚」と「行動」を重視するタイプだからです。
ESTPの思考は「今、この瞬間」に集中しており、過去や未来よりも、目の前の刺激を優先します。そのため、先のことを考えて計画を立てたり、じっくりと物事を考えたりすることが苦手です。
例えば、会議中にじっと座っていられず、貧乏ゆすりをしたり、スマホをいじったりするかもしれません。また、工場のライン作業など、同じ作業を繰り返す仕事は、すぐに飽きてしまい、ミスを連発したり、早々に辞めてしまったりするでしょう。
ESTPにとっては、変化のない日常は退屈で、耐えられないのです。
ESTPの落ち着きのなさは、あなたをイライラの淵に突き落とすかもしれませんが、それはESTPが「生きている実感」を得るための行動なのです。
平気で嘘ついて人を騙す
ESTPが平気で嘘をつくのは、ESTPにとって「結果が全て」だからです。
ESTPは、優れた状況判断能力と、巧みな話術を持っています。そのため、相手が望んでいることを見抜き、嘘を織り交ぜながらも、相手を納得させる話術で、自分の目的を達成しようとします。
例えば、欲しい商品を手に入れるために、お金がないと泣き落としをしたり、遅刻や会社を休むときなど。また、異性を口説くために、ありもしない武勇伝を語ったり、自分を大きく見せようと嘘をつくこともあるでしょう。
ESTPの嘘は、巧妙で、見抜くのが難しい場合もあります。
あなたは、ESTPの嘘によって傷つけられたり、裏切られたりした経験があるかもしれません。しかし、ESTPにとっては、嘘をつくことも、目的達成のための手段の一つに過ぎないのです。
人の気持ちを考えて話をしない
ESTPが人の気持ちを考えず、傷つく言葉を平気で言うのは、ESTPが「論理」と「効率」を重視するあまり、「感情」を軽視しがちだからです。
ESTPにとって、コミュニケーションは情報を伝えるための手段であり、相手を慰めたり、共感したりする目的では行いません。そのため、言葉の選び方や言い方に配慮がなく、ストレートな表現で相手を傷つけてしまうのです。
例えば、友人が失恋で落ち込んでいる時に、「そんな男、他にいくらでもいるよ」「早く忘れなよ」など、励ましのつもりで、相手を突き放すような言葉を言ってしまったり、プレゼンで失敗した同僚に「準備不足だったんじゃないの?」「もっと練習すればよかったのに」と、ダメ出しをしてしまうかもしれません。
ESTPの言葉は、時に残酷で、あなたを深く傷つけるかもしれません。
しかし、ESTPには悪意はなく、ただ「率直に意見を述べているだけ」なのです。ESTPの言葉の裏にある意図を理解し、必要以上に傷つかないようにすることが大切です。
失敗を素直に認めない
ESTPが言い逃れをしたり開き直りったりするのは「失敗」を極端に恐れているからです。
ESTPは、プライドが高く、負けず嫌いです。そのため、自分が悪いと認めたくない気持ちが強く、批判されると、それを受け入れることができず、逆ギレして相手を攻撃することで、自分を守ろうとします。
例えば、仕事でミスをして上司に叱責されると、「指示が曖昧だった」「他の人のせいで集中できなかった」などと言い訳をして、責任を転嫁するかもしれません。また、友人との約束を忘れてしまった時、「連絡が来ていなかった」「他に急用が入った」などと言い訳をして、反省するどころか開き直ってしまうこともあるでしょう。
ESTPにとって、失敗は「負け」を意味し、プライドが許さないのです。
ESTPの責任転嫁や開き直りは、あなたを怒らせ、不信感を募らせるかもしれませんが、それはESTPが弱い自分を隠すための防衛本能なのです。
自分のことしか話さない
ESTPが自分の話ばかりで、人の話を聞かないのは、「今、この瞬間」の自分の体験や感覚を何よりも重視するからです。
ESTPは、自分の話に夢中になると、周囲が見えなくなり、相手の反応を気にしなくなってしまいます。そのため、相手が退屈そうにしていたり、話を遮ろうとしたりしても、気づかずに話し続けてしまうのです。
例えば、あなたが仕事の悩みを相談しているのに、ESTPは自分の趣味の話や、週末の出来事の話ばかりで、あなたの話を聞こうとしないかもしれません。また、あなたが真剣な話をしているのに、ESTPは上の空で、相槌を打つだけで、話を聞いていないことが明らかな場合もあるでしょう。
ESTPにとっては、自分の話が最も興味深く、聞いてもらう価値があると思っているのです。
ESTPの自己中心的な態度は、あなたをイライラの淵に突き落とすかもしれませんが、それはESTPが「自分の世界」に夢中になっているからなのです。
計画性ゼロで大胆な行動をする
ESTPが無計画な行動に出るのは、「衝動」と「直感」を重視するタイプだからです。
ESTPにとって、人生は「楽しむもの」であり、退屈な日常から抜け出すために、常に新しい刺激を求めています。安定や保障よりも、挑戦と変化を好み、リスクを恐れずに大胆な行動に出るのです。
例えば、安定した収入のある会社員を辞めて、何の準備もなく、起業すると言い出すかもしれません。あるいは、大学を中退して、人気ユーチューバーになると宣言するかもしれません。周囲は「そんな甘い世界じゃない」「もっと現実的に考えろ」と忠告するでしょう。
しかし、ESTPは、そんな忠告に耳を傾けず、「なんとかなる」「やってみないとわからない」と楽観的に考えて、突き進んでしまうのです。
ESTPの無計画さは、あなたを不安にさせるかもしれませんが、それはESTPにとって「人生を謳歌する」ための方法なのです。
居心地の良い空間を壊してくる
ESTPが過剰な刺激を求めるのは、ESTPが常に「退屈」と戦っているからです。
ESTPにとって、人生は「楽しむためのゲーム」であり、常にハラハラドキドキする展開を求めています。そのため、刺激が足りないと感じると、自ら状況を変化させ、周囲を巻き込んで、騒ぎを起こそうとするのです。
例えば、楽しく飲み会をしていたのに、急に「テキーラ一気飲みゲーム」を始めたり、盛り上がっている場をさらに盛り上げようと、危険な賭けを提案したりするかもしれません。周囲は「もう十分盛り上がってるよ」「そんなことしたら危ないよ」と制止するでしょう。
しかし、ESTPは、そんな制止を無視して、「もっと楽しもうぜ」「盛り上がらないとつまんないじゃん」と、さらに刺激的な行動をエスカレートさせてしまうのです。
ESTPの過剰な刺激追求は、あなたを困惑させ、不安にさせるかもしれませんが、それはESTPにとって「退屈から逃れる」ための手段なのです。
勝ち負けに執着する
ESTPが勝ち負けにこだわるのは、ESTPにとって「人生はゲーム」であり、常に「勝者」でいたいと願っているからです。
ESTPにとって、勝利は「優越感」と「達成感」の証であり、敗北は「屈辱」と「無価値」の象徴です。そのため、負けを認めず、言い訳をしたり、ルールを曲げたりしてでも、勝とうとする場合があります。
例えば、友人とのゲームで負けると、露骨に不機嫌になったり、ルールを勝手に変更して、自分が有利になるように仕向けたりするかもしれません。また、仕事で同僚に先を越されると、激しい嫉妬心を抱き、足を引っ張ろうとすることもあるでしょう。
ESTPの競争心は、時に周囲を不快にさせ、人間関係を壊してしまうこともあります。
しかし、ESTPにとっては、競争こそが「人生の原動力」であり、「生きている実感」を得るための手段なのです。
自分の思い通りに人を動かそうとする
ESTPが周囲の人を操ろうとするのは、ESTPにとって「世界は自分の思い通りになる」と思っているからです。
ESTPは、人間関係を「ゲーム」のように捉え、人を「駒」のように操ることに長けています。相手の弱みや欲求を見抜き、褒め言葉や同情、時には脅しなどを使い分けて、相手をコントロールしようとします。
例えば、プロジェクトを成功させるために、チームメンバーに巧みな話術でやる気を起こさせたり、自分の苦手な仕事を押し付けたりするかもしれません。あるいは、欲しいものを手に入れるために、ターゲットとなる人物に近づき、巧みに甘言を囁いて、貢がせようとすることもあるでしょう。
ESTPの行動は、一見すると魅力的で、人を惹きつける力を持っていますが、その裏には、常に「自分の利益」を優先する冷酷な計算が隠されています。
ESTPに操られないためには、ESTPの言葉に惑わされず、自分の意志をしっかりと持つことが重要です。
不機嫌を表にだしてくる
ESTPが物にあたったり、周囲を威嚇するのは、ESTPが強いストレスを感じ、感情をコントロールできなくなっているからです。
ESTPは、論理的な思考を重視する一方、感情を表現するのが苦手です。そのため、ストレスや不満をうまく言葉で伝えられず、溜め込んでしまう傾向があります。
そして、限界を超えると、感情が爆発し、暴力的な行動に走ってしまうのです。
例えば、仕事で大きなミスをしてしまい、上司に厳しく叱責された時、悔しさや怒りを抑えきれず、壁を殴ったり、物を蹴飛ばしたりするかもしれません。あるいは、恋人との喧嘩で感情が高ぶると、怒鳴り散らしたり、物を投げつけたりして、相手を威嚇するかもしれません。
ESTPの攻撃的な行動は、周囲に恐怖を与え、関係を悪化させてしまう可能性があります。ESTPが感情を爆発させる前に、ESTPのストレスに気づき、適切なサポートをすることが重要です。
古くからの知り合いをバッサリ切り捨てる
ESTPが長年の友人や恋人を急に切り捨てるのは、ESTPにとって「過去」よりも「今」が重要だからです。
ESTPは、常に新しい刺激を求めており、現状維持を嫌います。そのため、関係がマンネリ化したり、自分にとってメリットがなくなったりすると、容赦なく相手を切り捨て、次の刺激を求めて動き出すのです。
例えば、長年連れ添った恋人が、病気や怪我で以前のように行動できなくなると、ESTPは面倒くさくなって、別れを切り出すかもしれません。あるいは、学生時代からの親友が、仕事で成功し、自分よりも社会的地位が高くなると、嫉妬心から距離を置き始めるかもしれません。
実業家の堀江貴文さんのインタビューの記事に、まさにESTPらしい考えを語っています。

ESTPの行動は、残酷で、非情に思えるかもしれません。しかし、ESTPにとっては、過去にとらわれず、「今」を生きることは、当然の選択なのです。
ESTPにとって、人間関係は「変化するもの」であり、「永遠に続くもの」ではないのです。
ハイリスクな賭けをする
ESTPがハイリスクな投資やギャンブルをはじめ無謀とも思える挑戦をするのは、ESTPの中に「一攫千金」への強い憧れがあるからです。
ESTPは、リスクを恐れず、むしろスリルを楽しむ傾向があります。綿密な計画や分析よりも、直感や運を信じ、大胆な賭けに出ることで、大きな成功を掴もうとするのです。
例えば、怪しげな投資話に飛びつき、全財産をつぎ込んでしまったり、ギャンブルにのめり込み、借金を抱えてしまうかもしれません。周囲は「そんなうまい話があるわけない」「冷静に考えろ」と忠告するでしょう。
しかし、ESTPは、そんな忠告に耳を傾けず、「自分は運がいい」「必ず成功する」と根拠のない自信を抱き、リスクを顧みずに突き進んでしまうのです。
ESTPにとって、一攫千金は「夢」であり、「人生を変えるチャンス」なのです。
まとめ
あなたはESTPの言動に、怒りや不信感を抱いているかもしれません。ESTPの衝動性、無責任さ、自己中心的な態度は、時に人を傷つけ、裏切られたと感じさせるでしょう。
しかし、ESTPには悪意があるのではなく、ただ「自分らしく生きたい」と願っているだけなのです。
ESTPの行動原理を理解し、適切な距離を保つことで、あなたは傷つくことなく、ESTPと付き合っていくことができるでしょう。
ESTPを「変える」ことは難しいですが、「理解する」ことは可能です。